自保ジャーナル No.2013 (2018.5.10)

自保ジャーナル

弁護士桑原が裁判により解決した交通事故事件が「併合11級脊柱変形傷害等を残す42歳女子介護ヘルパーの逸失利益を婚姻の蓋然性があったとセンサス女性全年齢平均を基礎に67歳まで14%の労働能力喪失で認定した」として、交通事故や保険問題に特化した裁判例の情報誌自動車保険ジャーナル(自保ジャーナル)に掲載されました。

以下では、掲載内容の一部をご紹介いたします。(自保ジャーナルについて詳しくはこちら

掲載内容

自保ジャーナル2013

  1. 横断歩道上を自転車で走行中、左折してきた被告乗用車に衝突され、第1腰椎骨折等の傷害を負い、自賠責11級7号脊柱変形傷害及び同14級9号左下肢しびれ等の併合11級後遺障害を残す42歳女子介護ヘルパーの原告の収入認定につき、「原告は、本件事故当時からEと婚姻する意志を有し・・・本件事故の治療を終えた平成26年9月頃から同居を開始してその後に現実に婚姻したことからすれば、原告は、本件事故時において、近い時期にはEと婚姻する蓋然性があった」とし、「本件事故がなかったとすれば、訪問ヘルパーの職に従事しながらも家事にも従事し、いわゆる兼業主婦として稼働していたであろうと認められる」として、「賃金センサス平成25年女性全年齢平均賃金は353万9,300円であり、原告のヘルパーとしての平成24年収入額224万7,590万円を上回るから、家事従事者として前者の金額を基礎収入とみるのが相当である」と基礎収入を認定した。
  2. 併合11級後遺障害を残す逸失利益算定につき、「原告の脊柱の変形傷害は比較的軽度であると認められ、諸事情を総合考慮すると、原告の労働能力喪失率は、14%とみる」とし、「原告の年齢等を考慮すると脊柱の変形傷害についても改善する見込みは乏しいことからすれば、原告の労働能力喪失期間は、23年間とみる」として、センサス女性全年齢平均を基礎収入に67歳までの23年間14%の労働能力喪失で認定した。
  3. 休業損害については、入院していた122日間は100%、通院期間の373日中、退院後の85日間100%、その後266日間60%、以降62日間は20%の労働能力喪失率で休業損害を認定した。
  4. 信号交差点の横断歩道上での原告自転車と左折してきた対抗被告乗用車との衝突につき、「被告は、本件横断歩道上を進行するに当たって横断中の歩行者等がいないかを確認するという自動車運転上の基本的な義務に違反したものであって、本件事故を発生させた大部分の責任が帰責されるべきである一方、原告は、本件横断歩道を進行中であって、自動車(被告車輌)が自車を発見し停止するべきであろうという基本的な信頼は保護されるべきであることを考慮すると、本件の過失割合は、原告1割、被告9割とみるのが相当である」と原告の過失を1割と認定した。

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