相談者 | 10代男性(アルバイト)/ 佐賀県杵島郡市在住 |
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事故態様 | 車対車 |
傷病名 | 側頭骨開放性陥没骨折、脳挫傷、外傷性クモ膜下出血、失語症等 |
主な損賠項目と賠償金額
傷害慰謝料 | 166万6000円 |
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休業損害 | 約13万円 |
将来治療費 | 約150万円 |
付添費 | 約27万3000円 |
入院雑費 | 6万9000円 |
総賠償額 | 約235万円(自賠責保険金含む) |
事故発生からご依頼まで
佐賀県杵島郡在住の10代の男性が友人の運転する車に同乗中、片側2車線で右折進入しようとしていた際に対向車に側面衝突されるという交通事故に遭われました。
衝突の衝撃で被害者の乗っていた車が横転するほどの事故で、救急搬送先の病院で側頭骨開放性陥没骨折、脳挫傷、外傷性クモ膜下出血、失語症等の診断を受け、頭部開放性陥没骨折の手術を行いました。
手術後は約1か月入院し、その後は治療のために通院を続けており、ご家族から今後の治療や後遺障害について聞きたいとご相談いただきました。
相談の結果、今後の対応を全て任せたいとのことでご依頼となりました。
弁護士の活動と関与した結果
ご依頼いただいたのが交通事故から3か月ほどが経過したタイミングで、開いたままの頭蓋骨に人工骨を入れるという大きな手術が控えていたため、治療に専念していただきました。
事故直後は側頭葉挫傷にともなう失語症と診断されていましたが、懸命な治療の結果退院時には言語障害はほどんど問題無い状態にまで改善し、高次脳機能障害も日常生活にまったく問題になることはなく、驚異的な回復力を見せたことで幸いにも後遺障害が残ることなく事故から約8か月後に症状固定となりました。
症状固定後は保険会社との交渉に移りました。
被害者の男性が交通事故によりてんかん防止薬を服用しており、症状固定後も服用を継続予定であったことから、今回は将来の治療費が争点のひとつになると考えられたため、あらかじめ医師にてんかん防止薬を将来的に服薬することを記載した診断書を作成いただくようお願いし、その資料をもって、医師として服薬を推奨するものとして相手方へ将来治療費の請求を行いました。
また、後遺障害は残らなかったといえど側頭骨開放性陥没骨折等の非常に大きな怪我を負い、失語症が発症する等、今後の生活や仕事に対する不安が常に付きまとうことから、男性の精神的苦痛は甚大なものであるとして、裁判基準より増額した金額で傷害慰謝料の請求を行いました。
保険会社との粘り強い交渉の結果、増額は認められなかったものの、裁判基準での慰謝料と将来の治療費が全額認められ、裁判で争った末に獲得できると想定していた金額を大きく上回る約323万円が補償されることで解決となりました。