相談者40代女性 / 福岡県久留米市在住 / 主婦
事故態様歩行者対車
傷病名外傷性くも膜下出血、右肩関節挫傷、腰椎捻挫

主な損賠項目と賠償金額

傷害慰謝料【ご依頼前】97万円 →【ご依頼後】220万円
後遺障害慰謝料【ご依頼前】32万円 →【ご依頼後】1000万円
休業損害【ご依頼前】60万円 →【ご依頼後】131万円
逸失利益【ご依頼前】16万円 →【ご依頼後】2500万円
最終支払額【ご依頼前】14万円 →【ご依頼後】3640万円

事故発生からご依頼まで

弁護士桑原淳
福岡県在住の40代女性が横断歩道を渡っていたところ、脇見運転で赤信号を無視して走行してきた自動車に衝突されるという交通事故に遭われました。

女性はこの事故で外傷性くも膜下出血・右肩関節挫傷・腰椎捻挫等の大怪我を負われ、緊急搬送後、入院を余儀なくされました。

病院を退院した後、右肩や腰に痛みが残っていたことで身体を使う仕事を続けることが難しくなり、仕事を退職されました。

その後、事務職員として再就職したものの、記憶力に問題が出ていることに気が付きました

そして、この記憶力の問題のため、再就職した会社も退職することとなりました。

女性は記憶力が落ちているものの、どのような対応をすればいいのかわからなかったため自宅療養を続け、後遺障害の申請も右肩や腰の痛みに限ったものとなりました。

後遺障害申請の結果、労災で併合12級、自賠責で併合14級の後遺障害が認められ、合わせて130万円程の保険金が支払われました。

その後、加害者の保険会社から示談提示をされたものの、その内容は14万円しか支払わないというものでした。

示談金の提示後、家族のすすめもあり、保険会社から提示された金額は妥当なのか、記憶力の問題はどうしようもないのかと当事務所にご相談いただきました。

相談の結果、保険会社の提示額はあまりにも低すぎること、記憶力の問題についても後遺障害申請をすべきと判断し、ご依頼いただくこととなりました。

当事務所の活動

相談時に弁護士が女性とお話したとき、精神面に問題はないように感じました。

しかし、ご依頼から解決に向けての活動を通してやり取りをしていくうちに、たしかに記憶力に支障が生じていることが窺え、事故で負ったくも膜下出血に起因する高次脳機能障害ではないかと感じられました。

そこで、過去に撮影された頭部の画像を確認した上で、高次脳機能障害を立証するために神経心理学検査を受けていただいたところ、やはり認知面での問題を確認し、ご家族へも聞き取りを行い、女性本人が認識していない事故後の異常を書面にまとめました

さらに、後遺障害診断書を作成する際、女性の通う病院に同行して脳神経外科医と面談させていただき、医師の意見や記載してほしい異常所見を確認し、ご協力いただきました。

すべての資料がそろったタイミングで後遺障害の申請を行いました。

当事務所が関与した結果

後遺障害

後遺障害申請の結果、記憶力低下等の精神症状について高次脳機能障害が認められ、7級4号の後遺障害が認定されました

保険会社との示談交渉

その結果をもとに保険会社と示談交渉を行い、最終的に請求のほぼ満額である3640万円が補償されることで示談解決となりました。

障害年金申請

また、相手との賠償金の示談交渉以外にも、上記のように高次脳機能障害により就労もままならない状態でしたので、弊所にて障害年金の申請もサポートさせていただきました。

女性と年金事務所に同行し、自賠責の後遺障害認定の際に作成した資料を提出したところ、担当者から「仮に認定がおりても、加害者から示談金を受領してから3年間は障害年金の支給が停止されます」との説明がありました。

しかし、支給停止の期間の始期は「示談金を受領した日」ではなく「事故発生の翌月」であり、本件のような平成27年9月末以前の事故は支給停止期間は2年間です。

つまり、申請日が事故からすでに3年以上が経過している本件では支給停止はなく、担当者の説明が間違っていることを指摘し、本部に確認していただきました。

その結果、こちらの説明が正しかったと回答を受け、その日のうちに申請を完了することができました。

その後、女性は障害年金2級の認定を受けました。

解決のポイント

高次脳機能障害は外部からは判断しづらく、本人も自覚が乏しいことが多いため「隠れた障害」と言われます。

本件のように、「最近記憶力が悪いかな?」と疑問に思うことがあっても、怪我のようにどこか痛むというわけでもないため対処されないケースもあります

今回は記憶力についても相談いただいており、弁護士が直接やり取りするなかで実際にその支障を確認したことがきっかけで必要な検査やご家族の協力を得られたことで、高次脳機能障害として後遺障害が認定されたことは本当によかったです。

また、保険会社からの提示金額は後遺障害の有無に関わらず低額である場合がほとんどです。

保険会社から提案された金額を鵜呑みにせず、また、どんな些細なことでも一度弁護士にご相談いただくことで、ご自身が自覚していない問題を発見できる場合もあります。

交通事故でお悩みの方は、ぜひ一度弁護士に相談されることを強くおすすめいたします。

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