主な損賠項目と賠償金額

事故発生からご依頼まで

福岡県大牟田市在住の70代のパートタイマーの女性が職場へ通勤するため自転車で道路を直進していたところ、後ろから走ってきた自転車に接触され、左側に転倒するという交通事故に遭われました。

女性は転倒時に左上下肢と右手首を強打しており、事故後受診した病院で左肩打撲傷、顔面打撲傷、左上腕骨挫傷、右橈骨遠位端骨折、左膝部挫創、左肩腱板損傷等の診断を受けました。

骨折部位に骨接合術を施し、事故から1年弱リハビリを継続した後に抜釘術を受けたものの、肩の痛みが強く残っており、約1年半後に症状固定となりました。

後遺障害については、自賠責保険では12級・労災では11級という異なる結果がでており、「後遺障害の等級が妥当なのか相談したい」「今後の保険会社との示談交渉を弁護士に任せたい」とご連絡いただき、ご相談の上、ご依頼となりました。

弁護士の活動

ご依頼後、事故後の治療歴などを確認するため、書類を取り寄せて後遺障害等級が適正なものなのか検討をおこないました。

また、労災の認定結果に関して詳細に記載されている書類を労基署より取り寄せ、検討を重ねたうえで保険会社との示談交渉へと移りました。

示談交渉では、休業損害・傷害慰謝料・後遺障害慰謝料・後遺障害逸失利益・過失割合が争点となりました。

休業損害

保険会社は、パート業務の日額÷事故前3か月分の給与に土日も含めた日数で算定していたのに対し、当方は時給に休憩時間を除いた1日の稼働時間×日額で算出し請求し、当方の主張が認められました。

傷害慰謝料

保険会社独自の基準で定めた金額で提示がありましたが、弁護士基準(裁判基準)の6割程度と定額でしたので、増額交渉をおこない、適正額に近い金額まで引き上げることができました。

後遺障害慰謝料・後遺障害逸失利益

後遺障害慰謝料につき、相手方保険会社は12級の基準額で提示がありましたが、労災で11級認定を受けていること、実生活における支障などを具体的に主張し、最終的に11.5級に相当する金額で合意することができました。

また、後遺障害逸失利益についても、当初3年と提示された労働能力喪失期間を粘り強く交渉し9年まで引き上げることができました。

過失割合

当初、被害者にも10%の過失があるとの主張でしたが、事故の状況等を伝え交渉した結果、5%で合意に至りました。

本件では裁判に移行すると後遺障害慰謝料がかえって低くなる可能性があったため、ご依頼様に説明しご納得いただいた上で、示談解決となりました。

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