相談者 | 女性(70代) / 福岡県糟屋郡在住 / 家事従事者・年金受給者 |
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事故態様 | 自転車対車 |
傷病名 | 死亡 |
サポート結果 | 刑事事件の被害者参加・保険会社との示談交渉 |
主な損賠項目と賠償金額
家事労働逸失利益 | 約1560万円 |
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年金逸失利益 | 約490万円 |
死亡慰謝料 | 約2500万円 |
遺族固有の慰謝料 | 各相続人200万円 |
葬儀費 | 約100万円 |
総賠償額 | 3500万円 |
相談・依頼のきっかけ
糟屋郡在住の当時70代の女性が、自転車で道路を横断中、右方向から直進してきた車両と衝突する事故に遭いました。
被害者は急性硬膜下血腫、脳挫傷、外傷性くも膜下出血、後頭骨骨折などの重傷を負い、事故後すぐに意識を失い、その日のうちに亡くなられました。
突然の事故によるご遺族のショックは大きく、さらに相手方に反省の態度が見られないことから、深い悲しみとともに強い憤りを感じておられました。
今後の交渉や解決までの手続きを専門家に任せたいとのご希望で、当事務所へご相談いただきました。
当事務所の活動
ご相談を受けたのは、事故から約3か月が経過した頃でした。
まず、ご遺族とともに相手方の刑事裁判に参加し、事故が相手方の不注意によるものであり、被害者の命を奪うという重大な結果を招いたこと、ご遺族の深い悲しみを訴え、厳重な処罰を求めました。
並行して、損害賠償請求に向けた準備を進め、ご遺族のご協力のもと、損害額の計算に必要な資料を収集し、相手方保険会社に請求額を提示しました。
当事務所が関与した結果
示談交渉では、家事労働逸失利益・年金逸失利益・慰謝料が主な争点となりました。
- 家事労働逸失利益
- 被害者は同居する家族の家事を一手に担っていたため、家事の具体的な内容や1日のスケジュールを丁寧に聴取し、平均余命の約半分の期間は家事労働を続けられたはずだと主張しました。
- 年金逸失利益
- 相手方は生活費控除率(受給額のうち生活費に充てられるとされる割合)を40%と主張しましたが、当方はそれでは高すぎると反論。交渉の結果、30%での合意を得ました。
- 慰謝料
- 交渉の末、当方の主張額満額での回答を獲得し、裁判を行った場合に見込まれる賠償額を上回る金額での解決となりました。
裁判を行う場合のリスクについても詳しく説明し、ご遺族と十分に協議の上、示談で解決することとなりました。
弁護士の所感(活動のポイント)
相手方との交渉は長期間にわたり、主張が二転三転するなど困難を極めましたが、当方の主張の正当性を粘り強く訴え続けたことで、ご遺族にも納得いただける内容で示談に至りました。
交渉では、相手方の主張を安易に受け入れず、一貫して強気の姿勢を貫いたことが、良い解決につながったと考えています。
今回の案件では、ご遺族の支えがあったからこそ最後まで交渉を続けることができました。
今後も、依頼者の想いに寄り添いながら、しっかりとした交渉を行っていきたいと思います。