相談者 | 男性(40代) / 福岡市在住 / 会社員 |
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事故態様 | 車対車 |
傷病名 | 頚椎捻挫・腰部打撲等 |
後遺障害等級 | 非該当 → 異議申立 →14級9号 |
サポート結果 | 異議申立により後遺障害認定・示談交渉により適切な賠償金獲得 |
主な損賠項目と賠償金額
傷害慰謝料 | 約85万円 |
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休業損害 | 約12万円 |
後遺障害慰謝料 | 約100万円 |
逸失利益 | 約123万円 |
自賠責保険金 | 75万円 |
総賠償額 | 約321万円 |
相談・依頼のきっかけ
福岡市にお住まいの40代の男性が、車を運転し商業施設に入るため左折しようと停止していたところ、後方から来た車に追突される事故に遭いました。
男性は救急搬送され、病院で頚椎捻挫や腰部打撲などの診断を受けました。
事故当日、相手方保険会社から連絡がありましたが、対応に誠実さを感じられず、不安を覚えていらっしゃいました。
そのため、スマートフォンで交通事故の案件を扱っている弁護士を検索し、当事務所を見つけていただきました。
保険会社とのやり取りをすべて任せたいとのご希望があり、ご依頼をお受けすることになりました。
当事務所の活動
当事務所へのご相談は事故の翌日でした。
お電話でのご相談後、郵送にて契約書類を取り交わし、正式なご依頼となったのは事故から約1週間後でした。
事故直後であることから、まずは車両や損害品の賠償交渉を当事務所で行い、ご依頼者様には治療に専念していただくようにお伝えしました。
車両損害については、修理費が車両の時価を上回っていたため、全損扱いとなり、時価額での賠償が認められました。
中古車市場価格を調査し、相手方保険会社の提示額よりも約15万円の増額を実現しました。
さらに、着用していた洋服などの損害についても対応しました。
ご依頼者様には購入時期や価格を記載した申告書を作成いただき、損害品の写真を提供してもらいました。
その結果、損害品を含めた納得のいく金額で賠償を受けることができたため、物損部分については先に示談を成立させました。
けがに関しては、事故後約半年間にわたって懸命に治療を続けましたが、頚部痛や腰痛などの症状が残り、症状固定という判断となりました。
その後、後遺障害等級の申請を行いましたが、初回の結果は非該当でした。
理由として、外傷性の異常所見が認められなかったことや、将来にわたって回復が困難と判断されなかったことが挙げられました。
しかし、症状固定から約4か月が経過したあとも痛みが強く残っており、ご依頼者様は自費での通院を続けていました。
この状況をふまえ、当事務所ではご依頼者様と相談したうえで、異議申立てを行うこととしました。
当事務所が関与した結果
異議申立ての結果、当初の非該当という判断が覆り、後遺障害14級9号の認定を受けることができました。
後遺障害等級が適正に認定されたことで、相手方保険会社との示談交渉を進めました。
その結果、傷害慰謝料については裁判で認められる水準(裁判基準)の95%を超える金額が提示されました。
また、後遺障害慰謝料についても、裁判基準の90%を超える内容で合意に至りました。
さらに、逸失利益については、むちうち症状の場合、通常は労働能力喪失期間を3年とされることが多い中で、交渉によって裁判基準の5年分での賠償を受けることができました。
裁判に進んだ場合のリスクや見込み額を総合的に検討した結果、示談での解決が適切であると判断し、ご依頼者様にもご納得いただいたうえで示談が成立しました。
弁護士の所感(活動のポイント)
初回の後遺障害申請では認定を得られませんでしたが、異議申立てを行うことで14級9号の認定を得ることができました。
ご依頼者様とのやり取りの中で、痛みの残存が強く、後遺障害申請後も自費で通院を継続していることがわかりました。
14級9号は、痛みの継続が認められる場合に判断されますが、痛みは客観的に把握しにくいため、カルテに一貫して痛みの訴えが記録されていることや、通院状況などの具体的な事情を示すことが重要です。
本件では、こうした点を整理して主張した結果、異議申立てが認められ、ご依頼者様にとって納得のいく結果を得ることができました。