相談者 | 男性(30代) / 福岡市在住 / 会社員 |
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事故態様 | バイク対車 |
傷病名 | 第11、12胸椎・第4腰椎圧迫骨折、右脛骨近位端骨挫傷、右大腿骨遠位端骨挫傷、左第5指PIP関節捻挫 |
後遺障害等級 | 併合11級 |
サポート結果 | 後遺障害等級認定サポートにより適切な等級認定・示談交渉 |
主な損賠項目と賠償金額
傷害慰謝料 | 約232万円 |
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後遺障害慰謝料 | 378万円 |
後遺障害逸失利益 | 約2060万円※1 |
休業損害 | 約589万円 |
総賠償額 | 2761万円※2 |
※1 労働能力喪失期間:25年、労働能力喪失率:20%
※2 自賠責保険金331万円含む
相談・依頼のきっかけ
福岡市在住の40代の男性がバイクで交差点を直進していたところ、対向車線から右折してきた乗用車と衝突する交通事故に遭いました。
救急搬送された病院では、第11・12胸椎および第4腰椎の圧迫骨折、右脛骨近位端や右大腿骨遠位端の骨挫傷、左手小指の関節捻挫など、重いケガが確認され、そのまま3か月以上の入院が必要となりました。
男性は退院後も継続して治療を受けられていましたが、後遺障害や賠償金についての不安があり、今後の対応を任せたいとのことで、当事務所へご相談・ご依頼をいただきました。
当事務所の活動
ご依頼いただいた後は、まずご本人に治療へ専念していただきながら、当事務所にて事故に関する資料の収集や、刑事記録の取り寄せを行い、過失割合の検討や今後の損害算定の準備を進めました。
事故から1年が経過した頃、医師から症状固定の診断がなされ、後遺障害等級認定の申請に移ることになりました。
弁護士が、病院で作成された後遺障害診断書の内容を精査し、記載に不備や不利な点がないかを確認した上で、万全の状態で申請を行いました。
当事務所が関与した結果
後遺障害申請の結果、胸部および腰部の圧迫骨折については「脊柱に変形を残すもの」として11級7号、さらに右大腿部・右膝関節・左小指については、それぞれ「局部に神経症状を残すもの」として14級9号の認定を受け、併合11級が認められました。
この結果を受けて、異議申立を行うべきか検討を進めましたが、ご本人が通院されていた病院や専門の調査会社への医療照会を経て、申請内容と認定結果に整合性があると判断し、併合11級を前提に示談交渉へ進むこととしました。
交渉では、事故によるケガの影響でご本人が退職せざるを得なかったこと、長年かけて取得してきた資格を活かせなくなってしまったこと、さらには日常生活のあらゆる場面で支障をきたしていることなど、被害の実態を詳細に主張しました。
その結果、傷害慰謝料・後遺障害慰謝料については裁判基準の9割以上、休業損害や逸失利益についても、ほぼ請求額に近い金額が認められました。
最終的に、自賠責保険金331万円を除く約2430万円という補償内容で示談が成立し、ご本人にもご納得いただける形で解決することができました。
弁護士の所感(活動のポイント)
本件は、事故態様や損害の内容が複雑で、過失割合・逸失利益・後遺障害のいずれの点でも保険会社との見解に開きがあり、非常に難易度の高い交渉となりました。
とくに、依頼者が事故により退職を余儀なくされ、生活や将来設計が大きく狂ってしまった点について、法律的な損害論だけではなく、実生活の被害を丁寧に拾い上げ、具体的に主張することが重要でした。
当事務所では、面談や連絡を重ねて依頼者の実情を深く理解し、その声を反映させた主張を行ったことで、相手方に適切な補償内容を認めさせることができ、裁判をせず満足のいく内容での示談に至ることができました。
後遺障害の認定を受けた場合、単に等級が認められるだけでは十分ではありません。
その内容を踏まえ、被害者の生活や仕事に与えた影響を正確に把握し、適切な損害賠償につなげることが大切です。
今回のように、後遺障害併合11級という認定を得ていても、主張と交渉次第で獲得できる補償額は大きく変わります。
ご自身だけで判断されず、まずは専門の弁護士にご相談されることをおすすめします。
会社員(給与所得者)の休業損害について
休業損害の金額は、給与明細や源泉徴収票などをもとに、事故前の収入を基礎として算定されます。
保険会社の提示額が適正かどうか不安な方は、実際の収入状況や就労実態に基づいて見直すことが重要です。
詳しくは、「会社員(給与所得者)の休業損害とは何ですか?」をご覧ください。