相談者男性(20代) / 福岡県那珂川市在住 / アルバイト、家事従事者
事故態様自転車対車
傷病名舟状骨骨折、舟状骨偽関節、肩関節捻挫、下腿打撲傷等
後遺障害等級14級9号
サポート結果後遺障害等級認定サポート・主夫の休業損害認定・適切な金額で示談

主な損賠項目と賠償金額

傷害慰謝料170万円
後遺障害慰謝料105万円
後遺障害逸失利益90万円
休業損害70万円
総賠償額約390万円(自賠責保険金含む)

相談・依頼のきっかけ

桑原淳弁護士

福岡県那珂川市にお住まいの20代男性が、自転車で歩道を走行中、対向車線から右折してきた車と衝突し転倒する交通事故に遭われました。

男性は自転車保険に加入していなかったため、相手方とのやり取りをご自身で行う必要があり、大きな負担を感じていらっしゃいました。

さらに、事故から半年が経過しても痛みが改善せず、精密検査の結果、舟状骨骨折が判明したことから、今後の治療や後遺障害の可能性について不安を抱えられていました

相手方保険会社との交渉を弁護士に任せたいと考えられ、当事務所にご相談いただき、ご依頼に至りました。

当事務所の活動

男性は舟状骨骨折により、約2年3か月にわたり手術やリハビリを継続しましたが、手関節に痛みが残り、症状固定の判断となりました

当事務所では後遺障害申請の手続きを行い、治療経過や症状の内容を踏まえ、将来的に回復が難しいと認められた結果、「局部に神経症状を残すもの」として14級9号の後遺障害認定を受けることができました。

当事務所が関与した結果

後遺障害14級の認定を受けた後、相手方保険会社との示談交渉に移行しました。

男性はアルバイトをしながら、同居する母親と家事を分担していたため、当事務所では主夫として休業損害や逸失利益を請求しました

しかし、相手方保険会社は「家事従事者ではなくアルバイト従事者」と主張し、休業損害をアルバイト分のみ、逸失利益も低額で算定してきました

そこで、当事務所はご本人から詳細な家事内容や母親との分担状況を丁寧に聴き取り、意見書を作成して交渉に臨みました

その結果、休業損害と逸失利益は家事従事者として認められ、基礎収入は女性の平均賃金を基準とした算定で合意に至りました。

さらに慰謝料についても粘り強く交渉し、傷害慰謝料は裁判基準の90%、後遺障害慰謝料は裁判基準の95%という高水準での回答を得られました。

十分な金額を確保できたため、ご本人様にもご確認のうえ、裁判へ移行せず示談で解決しました。

弁護士の所感(活動のポイント)

男性の主夫休業損害は、依然として保険会社に否定されるケースが多いのが現状です

ただし、家庭によっては男性が主要な家事を担っていることも珍しくなく、その場合には家事労働の実態を丁寧に立証することで、主夫としての休業損害が認められる場合があります。

本件でも、ご本人から具体的な家事内容や分担状況を詳しく聴き取り、資料化したうえで主張したことで、主夫としての休業損害と逸失利益が認められました。

また、慰謝料についても裁判基準に近い水準まで引き上げることができ、ご依頼者様にとって納得できる解決につながりました。

休業損害や慰謝料の提示額に納得がいかない場合、弁護士が交渉に入ることで金額が大きく変わることがあります。

できれば事故直後や治療中など比較的早期の相談が望ましいですが、保険会社から賠償金の提示を受けた段階で、一度専門家に相談されることを強くお勧めします

男性が主婦として休業損害を認められるためのポイント

「家事を担っていた」実態を立証することが重要です

男性が主夫として日常の家事(料理・洗濯・掃除など)を実際に行っていたことを明確に説明・証明することが求められます。

裁判例でも「専業主婦の代わりに洗濯や料理をしていた」と認められたことで主夫休業損害が認められた事例があります。

休業損害の基礎収入には「女性の平均賃金」が用いられるのが一般的です

男性が主夫であっても、損害の基礎となる収入は、女性の全年齢平均賃金が使われる傾向があり、その点を交渉で強く主張することが効果的です。

休業による家事支障の具体性が重要です

単に「家事ができなかった」とするだけでは不十分です。

いつ、どのような家事ができず、どれほど負担が増えたのか、具体的に示すことが認定には不可欠です。

保険会社の提示によく疑問を持つこと

初期の保険会社提示は、自賠責基準に基づいて低額になりがちです。

主夫としての休業損害や逸失利益を適正に評価するためには、裁判基準を用いた再主張が効果的です。

関連ページ

交通事故の無料相談のご予約


後遺症への補償と取り組み


たくみ法律事務所が選ばれる5つの理由