相談者 | 男性(30代) / 福岡市在住 / 会社員 女性(30代) / 福岡市在住 / 兼業主婦 |
---|---|
事故態様 | 車対車 |
傷病名 | 外傷性頸部症候群、腰椎捻挫、両肩関節捻挫、両手関節捻挫 |
サポート結果 | 主婦の休業損害認定・保険会社対応の負担軽減 |
主な損賠項目と賠償金額
傷害慰謝料 | 178万円(男性:90万円・奥様:88万円) |
---|---|
休業損害 | 82万円(男性:21万円・奥様:61万円) |
総賠償額 | 244万円(男性:94万円・奥様:150万円) |
事故発生からご依頼まで
福岡市に住む30代の男性が、車で片側2車線の道路を走行中、左側の店舗敷地から道路に出てきた車とぶつかる事故に遭いました。
この事故で、男性は首、腰、両肩、両手にけがを負い、病院や整骨院で治療を受けていました。
さらに、事故の際には助手席に奥様(首と左肩のむちうち)、後部座席にお子様2人が同乗しており、みなさん病院や整骨院に通っていました。
その後、比較的軽いけがで治療が終わったお子様2人の示談書が相手の保険会社から届きましたが、その内容が適切かどうか分からず、当事務所にご相談いただき、サポートをお任せいただくことになりました。
当事務所の活動
依頼者ご夫婦は、日中は仕事で忙しく、家に帰ってからも家事や育児に追われており、交通事故の対応に時間を割く余裕がない状況でした。
そこで、負担を減らすため、連絡が取りやすいLINEでのやり取りを提案しました。
その結果、事故対応にかかる時間が減り、ご夫婦の負担を軽くすることができました。
ご依頼を受けた後すぐに、弁護士が相手の保険会社に連絡を取り、まずはお子様2人の示談金について増額の交渉を行いました。
その結果、お子様2人分で約40万円も示談金を増やすことができました。
次に、ご夫婦の治療についてですが、事故から半年が経った頃、保険会社から「治療費の支払いを打ち切る」と連絡がありました。
しかし、現在の治療状況を詳しく説明し、治療費の支払いを続けてもらえるよう交渉しました。
その結果、1か月の延長に成功し、ご夫婦が治療を続けられるようになりました。
また、ご夫婦の強い希望があったため、後遺障害の申請を行いました。
当事務所が関与した結果
残念ながら、ご夫婦は後遺障害の認定を受けることはできませんでしたが、話し合いの結果、異議申立はせず、示談の交渉を進めることになりました。
示談交渉では、特に奥様の家事がどれだけ事故の影響を受けたかが大きなポイントになりました。
奥様は働きながら家事もこなしている兼業主婦で、仕事を休むことはありませんでしたが、けがによる家事への影響について詳しく説明しました。
その結果、裁判で認められる金額よりも大幅に多い休業損害を受け取ることができました。
また、後遺障害が認定されなかったものの、ご夫婦には治療が終わった後も不調が残っていることを考慮して交渉を続けた結果、慰謝料も裁判基準の9割にあたる金額を得ることができました。
弁護士の所感(解決のポイント)
今回のケースでは、奥様の年収が一般的な女性の平均より高く、仕事を休んでいないことから、裁判では休業損害が認められない可能性が高い状況でした。
さらに、ご主人にも少し過失があり、その過失が奥様にも適用される可能性がありました。
しかし、こうした不利な状況であっても、相手側が指摘しなければ、こちらからあえて話題にする必要がない場合もあります。
今回はこの方針が良い結果を生み、裁判で認められる金額の約2倍に近い金額を得ることができました。
このような成功例は珍しいですが、今後も依頼者の方にとって最も有利になるように、示談交渉の柔軟さを活かしながらしっかりサポートしていきます。