相談者 | 男性(50代) / 福岡市在住 / 個人事業主 |
---|---|
事故態様 | バイク対車 |
傷病名 | 外傷性頚部症候群、両外傷性肩関節周囲炎、腰椎捻挫、両手間接捻挫 |
後遺障害 | 非該当 → 異議申立 → 14級9号 |
サポート結果 | ・異議申立により後遺障害等級認定 ・保険会社との交渉により適切な金額で示談 |
主な損賠項目と賠償金額
後遺障害慰謝料 | 99万円 |
---|---|
後遺障害逸失利益 | 約62万円※1 |
合計 | 約161万円※2 |
※2 自賠責保険金75万円含む
相談・依頼のきっかけ
福岡市在住の50代男性が、原付バイクで赤信号に従って停止していたところ、前方からバックしてきた軽トラックに衝突される交通事故に遭いました。
受診した病院では、外傷性頚部症候群、両外傷性肩関節周囲炎、腰椎捻挫、両手関節捻挫と診断され、週に3回ほど通院を続けていました。
しかし、3か月ほど経過した時点で相手方保険会社から治療費の支払いを打ち切られてしまったため、その後は自費で通院を継続されていました。
痛みが残っていたことから、後遺障害申請の手続きを弁護士に任せたいと考え、当事務所にご相談いただきました。
当事務所の活動
まずはご依頼者様に治療へ専念いただき、その間に相手方保険会社から事故関係の資料を取り寄せ、治療内容や症状経過を確認しました。
事故から約6か月後に症状固定となり、後遺障害申請を行いましたが、初回の結果は非該当(後遺障害として認められない)でした。
ご依頼者様には左肩の強い痛みが残っており、症状固定後も通院を続けていたことから、適正な認定を得るため異議申立を行う方針としました。
カルテを詳細に確認し、治療経過を整理したうえで異議申立書を作成しました。
また、病院に医療照会を行い、非該当の判断は妥当ではないという医師の意見書を取り付け、申立に臨みました。
当事務所が関与した結果
異議申立の結果、「局部に神経症状を残すもの」として後遺障害14級9号が認定されました。
認定後は相手方保険会社と示談交渉を行いました。
後遺障害部分以外の損害(傷害慰謝料や休業損害等)については、ご本人と相手方で既に示談が成立していたため、今回は後遺障害による逸失利益と慰謝料について交渉を行いました。
当初、相手方は逸失利益の労働能力喪失期間を3年として算定し、裁判基準を下回る金額を提示してきました。
しかし、弁護士が交渉を重ねた結果、喪失期間は5年の裁判基準満額で認められました。
後遺障害慰謝料についても裁判基準の9割が認められ、示談交渉開始からわずか2週間で示談が成立しました。
最終的に、自賠責保険金を含めて約161万円を追加で受け取ることができ、ご依頼者様にご満足いただける解決となりました。
弁護士の所感(活動のポイント)
後遺障害14級9号を目指す異議申立では、残存している症状が後遺障害に該当することを、カルテや診療記録を分析して丁寧に立証することが欠かせません。
特に医師への医療照会は重要な場面であり、質問事項を適切に設計することが大きな鍵となります。
曖昧な質問やポイントを外した質問をしてしまうと、不利な回答や活用できない回答につながりかねません。
今回の案件では、豊富な取り扱い実績を踏まえて、認定に必要なポイントを整理し、医師の協力を得ながら異議申立書を作成できたことが、認定につながった大きな要因だと考えています。
後遺障害申請は初回で非該当となることも珍しくありません。
諦めずに異議申立を行うことで認定を得られる場合も多いため、不安を抱えている方はぜひ弁護士にご相談いただきたいと思います。
関連ページ
- 初めて弁護士に相談する方へ(交通事故編)
- 交通事故に遭った時に通院するのは整形外科?整骨院?
- 交通事故の休業損害について〜3つの基準と職業別の計算方法〜
- むちうちで後遺障害が認められるためにはどんなことに注意すべき?
- 会社員(給与所得者)の休業損害とは