| 相談者 | 女の子(小学生) / 石川県在住 |
|---|---|
| 事故態様 | 歩行者対車 |
| 傷病名 | びまん性軸索損傷、急性硬膜下血腫、肥厚性瘢痕、瘢痕性脱毛等 |
| 後遺障害 | 併合8級 |
| サポート結果 | ・後遺障害等級認定 ・家族の付き添いによる休業損害認定 |
主な損賠項目と賠償金額
| 傷害慰謝料 | 約179万円 |
|---|---|
| 後遺障害慰謝料 | 約830万円 |
| 後遺障害逸失利益 | 約4296万円 |
| 親族休業損害 | 約28万円 |
| 総賠償額 | 約5400万円※ |
相談・依頼のきっかけ

石川県在住の小学生の女の子が、青信号で横断歩道を渡っていたところ、信号無視で走行してきた車にはねられる交通事故に遭いました。
女の子はドクターヘリで大学病院へ搬送されましたが、病院に到着した時点では昏睡状態でした。
精密検査の結果、びまん性軸索損傷、外傷性くも膜下血腫、急性硬膜下血腫、その他挫創などの診断を受けました。
幸いにも搬送から数日後に意識は回復しましたが、その後も数日間ICUで治療を受け、その後は小児科へ転院して入院治療を続けました。
女の子のお父様から当事務所にご相談をいただいたのは、意識が回復した直後でした。
今後の治療や後遺障害の問題、そして適正な賠償を受けるための対応を任せたいとのことで、ご依頼をいただくことになりました。
たくみ法律事務所の活動
女の子は事故後、ICUと小児科で約20日間入院治療を受けた後、経過観察のため定期的に外来受診を続けました。
事故から約3か月半が経過した頃、頭部の受傷については頭部CTで出血や骨折が確認できなかったことから、経過は良好と判断され、頭部についての経過観察は一旦終了しました。
その後は、肘の傷あと(肥厚性瘢痕)、こめかみの傷あと(瘢痕)、頭部の瘢痕性脱毛の症状について治療と経過観察を続けました。
事故から約1年3か月の間、治療と経過観察を続けましたが、肘と顔に傷あとが残り、頭部には瘢痕性脱毛が残った状態で症状固定と判断されました。
必要書類がそろった段階で、当事務所で後遺障害申請の手続きを行いました。
たくみ法律事務所が関与した結果
申請の結果、こめかみの傷あと(瘢痕)について「外貌に醜状を残すもの」として後遺障害12級14号が認定されました。
さらに頭部外傷後の症状についても、事故から症状固定までの経過を把握している医師だけでなく、日常生活をよく理解しているご両親や学校生活を見ている担任の先生にもご協力いただき、必要書類を作成したうえで追加の後遺障害申請を行いました。
その結果、頭部外傷後の神経系統の機能または精神の障害について、「神経系統の機能または精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」として後遺障害9級10号が認定されました。
この認定は、先に認定されていた12級14号と併合され、最終的に後遺障害併合8級となりました。
その後、この認定結果を踏まえて相手方保険会社との示談交渉を行いました。
交渉では、まず慰謝料が争点になると想定されました。
一般的に保険会社は、裁判外の交渉では裁判基準の約80%程度で提示してくることが多いですが、本件では傷害慰謝料と後遺障害慰謝料のいずれについても裁判基準と同額の金額を認めさせることができました。
またもう一つの争点として、後遺障害逸失利益がありました。
女の子は症状固定時点で10歳であったため、18歳から67歳までの49年間を労働能力喪失期間とし、後遺障害8級に基づく労働能力喪失率45%を前提に請求しました。
保険会社が、頭部外傷による後遺障害は9級であることや傷あとが目立たないことを理由に、労働能力喪失率や期間を低く主張する可能性も考えられましたが、最終的には当方の主張額を前提とした約9割の金額で回答を得ることができました。
さらに事故直後にご家族が付き添いのため仕事を休んだことによる休業損害などについても、当方の請求に近い金額を認めさせることができました。
交渉の結果、十分な補償内容での回答を得ることができたため、裁判に移行することなく示談で解決しました。
弁護士の所感(活動のポイント)
高次脳機能障害は本人に自覚がないことも多く、成人でも見過ごされやすい障害といわれています。
小児の場合は成長の影響もあるため、生活への影響を判断するまでに時間がかかることがあります。
また日常生活の変化についても、親族や主治医の前では目立たず、学校生活など別の環境では変化が現れている可能性もあります。
こうした事情があるため、早期解決を優先してしまうと、障害が見過ごされたまま示談してしまう可能性もあります。
本件でも事故後の日常生活では大きな変化は感じられないというお話がありましたが、事故の外傷状況や事故直後の状態を踏まえ、当事務所では高次脳機能障害の後遺障害申請を行うことを提案しました。
高次脳機能障害を伴う交通事故案件を多く取り扱ってきた経験があったからこそ、適切な対応をご案内できたと考えています。
交通事故の被害に遭い、保険会社とのやり取りや後遺障害申請について不安を感じている方もいらっしゃると思います。
当事務所では遠方の方でもオンライン相談やLINEでのやり取りを活用しながら、事故直後から解決まで丁寧にサポートしています。
保険会社との対応や今後の手続きに不安がある方は、一度ご相談ください。
高次脳機能障害で適切な等級認定を受けるためのポイント
高次脳機能障害は、見た目の外傷が少なくても、記憶力・集中力・判断力などに影響が出ることが多い障害です。
そのため、被害者自身や家族であっても、日常生活の変化を「後遺症」として適切に伝えることが難しい場合があります。
適切な等級認定を受けるためには、次のような点を意識することが重要です。
早期から専門医に相談すること
脳神経外科やリハビリ科など、高次脳機能障害に詳しい医師に診てもらうことで、検査や診断の精度が高まります。
家族の観察記録を残すこと
被害者の日常生活での変化(物忘れ、感情の起伏、社会的行動の変化など)を、家族が具体的に記録しておくと、診断書や日常生活報告書の作成時に役立ちます。
弁護士と医師が連携して資料を作成すること
後遺障害等級は「書面審査」で決まるため、診断書や検査結果の内容が極めて重要です。
弁護士が医師と協議し、検査や記載内容を適切に整えることで、認定結果が大きく変わることがあります。
高次脳機能障害は、見えにくい障害だからこそ、立証の工夫と準備が欠かせません。
事故後に「何かおかしい」「以前と様子が違う」と感じたら、早めに弁護士へご相談いただくことをおすすめします。
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