Q事業者(個人事業主)の休業損害はどのように計算されますか?
A
個人事業主が交通事故で仕事を休まざるを得なくなった場合の休業損害は、本来得られたはずの利益を基準にして算定します。
具体的には、想定される売上額から、その売上を得るために必要だった原価や経費を差し引いた純利益部分が損害の対象になります。
具体的には、想定される売上額から、その売上を得るために必要だった原価や経費を差し引いた純利益部分が損害の対象になります。

実務では、事故前年の確定申告に記載された所得額や、必要に応じて賃金センサス(業種別・年齢別の平均賃金統計)を参考にして算定されることが一般的です。
注意が必要なのは、確定申告で経費を過大に計上して実際よりも所得を少なく申告している場合や、申告そのものをしていない場合です。
このような場合、申告されていない所得(申告外所得)をもとに休業損害を請求できるかどうかが問題になります。
裁判では、申告外所得を損害算定の基礎として認めるには非常に厳しい姿勢が取られています。
実際に、申告外の実収入が休業損害の対象として認められたケースは限られています。
どうしても申告外所得を基礎収入に含めたい場合は、信頼性のある資料によって収入や経費を立証する必要があります。
たとえば、会計帳簿や売上伝票、日計帳、レジの記録などをそろえて具体的な金額を示すことが重要です。
保険会社は適切な休業損害を提示してくれますか?
個人事業主の場合も、保険会社が提示する休業損害額が適切とは限りません。
特に、確定申告額だけを基準に一方的に低く見積もられることがあり、実態に合わない内容になることもあります。
申告外所得がある場合や、コロナ禍など特殊な事情で前年の売上が低下していた場合などは、適切な証拠をそろえて交渉しなければ、十分な補償を受けるのが難しくなります。
こうした状況では、交通事故の損害賠償に詳しい弁護士に相談することで、的確な主張と資料の整理ができ、結果的に適正な金額を受け取れる可能性が高まります。
保険会社とのやり取りに不安がある場合は、できるだけ早い段階で弁護士に相談してみてください。
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