交通事故の休業損害について〜3つの基準と職業別の計算方法〜

休業損害とは

まず、休業損害とは交通事故に遭ったことで収入が減少したことを損害とし、加害者に損害賠償請求することです。

計算方法については以下の3つの基準があります。※休業日数は、一般的には仕事を休んだ日が基準となります。

自賠責基準

原則として5,700円/日×休業日数(※令和2年4月以降に発生した交通事故については6100円/日)

上記の算出額以上の収入があったことを立証資料等によって証明できる場合は、[19000円/日(上限額)×休業日数]

任意保険基準

任意保険会社によって計算方法は異なります。

しかし、自賠責基準と同様の金額が提示されることが多い傾向があります。

弁護士(裁判)基準

一日当たりの基礎収入(事故前3か月の給与合計÷90日)×休業日数

職業別の収入額の計算方法

被害者の職業によって収入額の計算方法も変わってきます。

会社員などの給与所得者

給与、各種手当、賞与、皆勤手当てなどの付加給も損害の対象となります。

お勤め先へ「休業損害証明書」というものを作成していただきます。

会社役員

報酬には、実際の労働に対してと、企業経営者として受け取る利益の配当部分があります。

実際の労働に対する報酬の損失・減額は休業損害として認められますが、利益の配当部分は休業によって失われることが無いため、損害算定の基礎から除外されます。

事業所得者

1日当たりの収入額は、事故前年の確定申告所得額によって認定されることが多いです。※年度によって相当の変動がある場合は事故前数年分の平均額を採用するなど、適当な金額が認定されます

申告をしていない場合や過少申告をしている場合は休業損害の算定が難しくなります

主婦(主夫)などの家事従事者

家事従事者とは、自分以外の同居家族の為に家事(掃除、洗濯、炊事、養育、介護など)を行っている方を指します。

受傷したことで家事に従事できない期間の休業損害を請求することができます。

収入は「女性の全年齢平均賃金」とすることが多いです。

兼業主婦の場合でも、現実の収入(給与収入)と上記の平均賃金の金額を比較し、高い方の金額を前提に主婦の休業損害が補償されることがあります。

学生など

アルバイトをしている場合は、休業損害が認められます。

また、受傷の治療が長引き、就職の時期が遅れた場合は、就職していれば得られたであろう給与額が損害として認められることもあります。

無職者、不労所得者

基本的に休業損害は生じないとされています。

しかし、近い時期に就職が内定していた場合などは、休業損害が認められる場合もあります。

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