被害者女性(70代) / 宗像市在住 / パート兼主婦
事故態様歩行者対車
傷病名頭蓋骨骨折、外傷性くも膜下出血、脳挫傷
後遺障害9級10号
サポート結果・後遺障害認定
・適切な金額で示談

主な損賠項目と賠償金額

相手方保険会社からの賠償額

傷害慰謝料200万円
後遺障害慰謝料690万円
後遺障害逸失利益605万円※1
休業損害125万円
総賠償額約1528万円※2
※1 労働能力喪失期間:6年・労働能力喪失率:35%
※2 自賠責保険金616万円含む

相談・依頼のきっかけ

桑原淳弁護士

福岡県宗像市在住の70代の女性が、歩行中に右折してきた車にはねられる交通事故に遭いました。

頭部を打った女性は、救急搬送先の病院で頭蓋骨骨折、外傷性くも膜下出血、脳挫傷と診断され、そのまま入院することになりました。

主治医からは、今後、記憶障害などの症状が残る可能性があると説明を受けていました。

事態を重く受け止めたご家族からお問い合わせがあり、当事務所にご相談いただきました。

たくみ法律事務所の活動

ご依頼いただいた時点では、女性はまだ入院中でした。

そこで、相手方保険会社とのやり取りを当事務所に一本化し、女性とご家族が治療や療養に専念できるようにしました。

その後、約1年にわたって脳神経外科でリハビリを続けましたが、日常生活にはさまざまな支障が残りました。

ご家族など身近な人の名前は覚えている一方、新しく覚えたことを長時間記憶しておくことが難しく、一人では公共交通機関の乗り換えができませんでした。

また、役所や病院などで書類を作成する際には、周囲の人から声をかけてもらう必要があるなど、日常生活で予想外のことが起きた際に、柔軟に対応することも困難な状態でした。

こうした症状が残ったことから、頭部外傷による後遺障害の申請を進めることになりました。

高次脳機能障害の後遺障害認定では、受傷直後の意識障害の有無や程度が重要な判断材料の一つとなります。

しかし、当初収集した後遺障害申請の資料には、初診時の意識障害について「なし」と記載されていました。

そこで、弁護士がほかの医療記録も詳しく確認したところ、救急隊が到着した時点では意識がはっきりしていたものの、入院後に一時的な意識障害が生じていたことが分かりました。

この経過を後遺障害の認定に適切に反映させるため、病院に対し、受傷直後の状態だけでなく、その後に生じた意識障害の程度や持続時間についても詳しく記載してもらえるよう依頼しました。

こうして医療記録の確認と必要な資料の整備を進めた上で、後遺障害の申請を行いました。

たくみ法律事務所が関与した結果

後遺障害申請の結果、受傷当初の意識障害やその後の症状の経過などを踏まえ、脳外傷に起因する高次脳機能障害として、後遺障害9級10号が認定されました。

この認定結果を踏まえて相手方保険会社との示談交渉を重ねた結果、すでに受け取っていた自賠責保険金616万円とは別に、912万円の支払いを受ける内容で示談が成立しました。

弁護士の所感(活動のポイント)

本件では、当初の申請資料には記載されていなかった意識障害の経過を弁護士がほかの医療記録から確認し医師に詳しい記載を依頼したことが、後遺障害の認定につながる重要なポイントとなりました。

高次脳機能障害は、記憶力や注意力、判断力などに影響が生じても、外見からは分かりにくいことがあります。

そのため、後遺障害の認定にあたっては、現在の症状だけでなく事故直後の意識状態や治療経過、日常生活で生じている支障などを丁寧に確認することが重要です。

また、医療記録に必要な情報が十分に記載されていない場合でも、ほかの記録を詳しく確認することで重要な経過が明らかになることがあります。

高次脳機能障害の後遺障害申請では、医学的な資料を適切に読み取り、認定に必要な情報を整理した上で症状や生活への影響を的確に伝えることが求められます。

当事務所では、これまで高次脳機能障害に悩む被害者の方やご家族の救済に力を注いできました。

これまでの経験を生かし、医療記録の確認から後遺障害の申請、保険会社との示談交渉まで、被害者の方やご家族をサポートしています。

交通事故の後、新しいことを覚えるのが難しくなった、物忘れが増えた、以前より怒りっぽくなったなど、事故前と比べて気になることがある場合や、高次脳機能障害の後遺障害認定や今後の補償についてお悩みの場合は、一度弁護士にご相談ください。

高次脳機能障害で適切な等級認定を受けるためのポイント

高次脳機能障害は、見た目の外傷が少なくても、記憶力・集中力・判断力などに影響が出ることが多い障害です。

そのため、被害者自身や家族であっても、日常生活の変化を「後遺症」として適切に伝えることが難しい場合があります。

適切な等級認定を受けるためには、次のような点を意識することが重要です。

早期から専門医に相談すること

脳神経外科やリハビリ科など、高次脳機能障害に詳しい医師に診てもらうことで、検査や診断の精度が高まります。

家族の観察記録を残すこと

被害者の日常生活での変化(物忘れ、感情の起伏、社会的行動の変化など)を、家族が具体的に記録しておくと、診断書や日常生活報告書の作成時に役立ちます。

弁護士と医師が連携して資料を作成すること

後遺障害等級は「書面審査」で決まるため、診断書や検査結果の内容が極めて重要です。

弁護士が医師と協議し、検査や記載内容を適切に整えることで、認定結果が大きく変わることがあります。

高次脳機能障害は、見えにくい障害だからこそ、立証の工夫と準備が欠かせません。

事故後に「何かおかしい」「以前と様子が違う」と感じたら、早めに弁護士へご相談いただくことをおすすめします。

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